国土交通省は、令和5年7月より画像・映像解析で鉄筋出来形計測をデジタル化する技術を直轄土木工事で本格適用します。これまでの試行結果を踏まえ「デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領(案)」を策定し、10日付で地方整備局などに通知しました。計測機器の精度検証が済んだシステムの使用を前提に、すべての現場打ちコンクリート構造物への適用が可能になります。受発注者双方の現場作業の削減につながり、配筋計測に要する時間も大幅に短縮ことができ、土木工事における品質管理の高度化などが図られ、現場の省力化・省人化への効果が期待できます。
※デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測に関する試行要領(案)
下記の記事は、試行段階のエコモット社製品である配筋検査ARシステムBAIASとなりますので、まだ読まれていない方は、下記のリンクよりどうぞ。
今後の実用化に向け、スーパーゼネコンを含む各社の共同開発から配筋検査システムが製品化されております。その中で今回は、清水建設・シャープ・カナモトの3社より共同開発されました3眼カメラ配筋検査システム「写らく」を皆様に紹介していきたいと思います。
先ほど紹介した配筋検査ARシステムのBAIASはiPadのLiDARスキャンで対象鉄筋をスキャン計測する仕様となりますが、今回の写らくは3眼の高性能カメラでバシャっと撮影による計測となります。この仕様の違いが計測にどう影響してくるのか!?現場の評価が楽しみとなります。
では、いきましょう!
3眼カメラ配筋検査システム
「写らく」
メーカー:清水建設株式会社、シャープ株式会社、カナモト株式会社(3社共同)
※写真はオプションのLED照明装着
主な特徴
1.独自の画像解析アルゴリズムにより、短時間で高精度に配筋を検査
「写らく」は、本体に搭載された3つのカメラで、3つの異なる位置から同時に対象範囲の鉄筋の配列状態を撮影し、縦・横・奥行きの3次元情報を取得。その3次元画像データから、シャープの8K映像技術をもとに清水建設と共同で開発した画像解析アルゴリズムにより、鉄筋の径や本数、配筋間隔を高精度に計測し、検査結果を表示します。現場での検証とフィードバック、システムの最適化により、計測時間を試作機の約7秒から約5秒に短縮し、鉄筋検出率も99.99%を実現。従来の検査方法から、所要時間を約75%短縮します。また、複数の作業員が必要だった現場での検査作業を1人で完結できることから、検査業務の大幅な省人化を実現できます。さらに、二段筋などの複雑な配筋検査にも対応可能です。
2.国内60カ所を超える現場実証を踏まえ、高い耐環境性能とユーザビリティを実現
国内60カ所を超える建設現場での試験を通じ、必要な商品仕様を検討・策定した結果、幅広い現場で利用可能な耐環境性能を実現。現場の日照や天候条件、ネットワーク環境有無などからの制約を受けることなく、高精度な計測が可能です。また、検査対象となる鉄筋の径や本数、配筋間隔などの情報の事前登録や、作業現場でのネットワーク環境の準備も不要なため、必要なときにすぐに利用できます。
3.2023年4月下旬から国内の建設現場向けにレンタルを開始
国土交通省が2023年度内の開始を予定している配筋検査システムの実用化に先駆け、本年4月下旬からカナモトを通じて日本全国でレンタルを開始。レンタル期間は自由に設定でき、検査を行う日数に合わせてご利用可能です。
導入メリット
1番の違いは、LiDARスキャナか高性能カメラかとなります。性能からも確認できるように計測時間が約5秒、鉄筋検出率99.99%と驚きの数値を実現しております。共同開発にシャープが加わっていることの重要性がわかります。
現場の操作が容易なことは、メリットでしかございません。「あれ?計測読み込みが今回悪いな〜」と現場でなると効率化とはなりません。
また、レンタルの取りまとめは、カナモトであることも大きな魅力となります。大手建機レンタル会社のカナモトは全国各地に事業所があり、どの現場もカナモトの営業マンを知っていることでしょう。つまり、取引があるレンタル会社から手配できることは、何よりのメリットなのです。めんどくさくないのです。新しい技術商品だと取引のない会社も多く、新規取引口座を開いたり、知らない営業マンと打ち合わせしたりと導入障害がございます。
ストレスのない手配は、使う型にとって大きなメリットであると考えています。
最後に
国土交通省のデジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実用化への対象製品「写らく」はいかがでしたでしょうか。前回の記事は、LiDARスキャンであったので高性能カメラも皆様に見ていただきたく記事にしました。どちらもタブレットとなりますのでシステムのアップデートは容易です。新たな機能追加も含め期待が膨らみます。
今回の記事においても、現場作業の効率化や省力化に貢献できれば嬉しく思います。
以上ありがとうございました。
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